【徒然】雪の降らない土地から降る土地へ出てきた

関東へ越してきて二年近くのある冬の日。
降水確率90%で雪の予報。
 
これは翌日早起きしたら少し積もっているところを見れるかも。
などと思いながら近所のスーパーに行ったら、シャベル、じゃない、こっちではスコップと呼ぶんだ、雪掻きに使いそうなあれが入り口にどーんとならべてある。
ユーモアセンスのあるスーパーだ。かなり降るって予報で言ってるから、「こんなのが要るほど降っちゃうかもね♪」とふざけて在庫でも並べてみたのだろう。そう思った。
 
翌、雪90%の当日。
午前中は雨だったので、やはりこんなものかとあきらめていた。
午後になってふと窓を見ると、45度くらいでばさばさ降ってた。傘では防ぎきれず上着をびしょびしょにして出掛ける。
帰りには短めの長靴に侵入してきそうなくらい積もっていた。
まあ何十年も生きていたら一生に一度や二度くらいこんな日もあるだろう。小学生のとき一度これくらい積もったことがあるぞ。
ひいひい言いながら帰る道々、近所の人たちの話。
どうも彼らは明日雪掻きをするかんじのようだ。
へええ。雪掻きとかする人もいるんだな、この辺では。首都圏だけれど。そういう文化なんだ。そう思った。
 
その翌、雪90%明けの朝。
前の日から写真を撮りまくっている。こんな雪ほぼ見たことがない。
また雪の中に靴をめり込ませながら歩かないといけないと覚悟して、かなり早めに出掛ける。
一番難所だと思っていた長い坂道。なんだろうこの光景は。数メートルおきに居る雪を掻く人たち。
話す人話す人当然のように出てくる、雪掻きしたという話題。
 
ああ、ここは雪の降る街だったんだ。きっとこれくらいのが数年おきにあるんだ。そしてそんなふうだと皆雪掻きするようになるんだ。まるで溝掃除とかみたいに総出で。
雪掻きとか、東北とか北海道しか、しないと思ってた…