【小説】誕生日

 「ハッピーバースデイ!」
集まってくれた皆がクラッカーを鳴らし、拍手をしてくれた。私は笑みと共に、飛び石をひとつ埋めた。
こうして誕生日が来る度に一つずつ埋める飛び石は、生まれたときに建てた墓まであと半分ほどの距離になった。
「ありがとう、みんな。おかげさまでまた一歩ゴールに近づくことができたよ」
「次はなっちゃんの誕生日だね。また皆でお祝いしよう。もう飛び石は用意してるの?」
「もちろんだよー。誕生日、楽しみだもん。もう十年分用意してるよ」
皆が笑った。