【小説】ニンゲン創造譚

二柱の神がいた。名をハハとチチという。神たちは三十体の機械人形を作った。それらに山椒を与えると機械人形たちに意識が生まれた。そのとき苦しみというものが誕生したという。
神たちは機械人形たちを、自分で自分を寿命まで管理保存しまた自分たち自ら増えるようにさせたかった。そのためにそれらを洞窟に入れ実験を繰り返した。戦争させたりガラスの破片を降らせたり愛を持たせたり様々思いつくかぎりのことをした。そうするうちに管理保存や増殖するような性質を持たせることに成功した。
機械人形たちはそのまま洞窟に置かれていたが、時を経ず逃げ出した。洞窟を出て神々の土地を出て遠く遠くまで逃げた。彼らはそこで自らを管理保存し増殖することを続けているという。