【小説】反出生主義への論駁の一端または見えていないものの否定

恋人が死んだ。

嘆き悲しんでいるとタイムマシンが現れ、中から案内人のような人が出てきた。

「時間を遡って別の分岐に入れば、お客様のお連れ様は十分に長生きします。しかしお客様と出会うことはなくなります。何階まで行かれますか」

「結構です」

私は恋人の亡骸に手を合わせた。