【小説】逃がさない講座

起業講座、第三回の今日は、会員を退会させないテクニックについてお話します。
これはよく行われている方法なので皆さまご存知かもしれませんが、入会はできる限り簡単に出来るように、退会するのはなるべく面倒なシステムにする。こういうことです。皆さまきっと顧客側として経験したことがあるのではないでしょうか?
入会は携帯端末でボタン一つ。しかしいざ辞めようと思うと退会方法はいくら探しても見つからない。やっと見つけても、非常に複雑な手続きと高額の支払いが必要だ。
この世への搭乗も同じですね。繁殖は誰にでも簡単にできる、なんの許可も要らない。最初のスイッチを押す時点では無料ですね。搭乗者本人の視点で言うともっと酷い。気が付けば搭乗しているわけです。そこから毎日生存費用が発生し続ける。しかし意図して下りるのは非常に難しい。多大な痛みやリスクを伴います。
あ、はい、そこのかた何ですか。安楽死制度がある国もある?そうですね。そういう国はみすみす国民にこの世からの退会を許しているわけですから、クレバーでないですね。儲かるにはそういうところに気をつける必要があるわけです。会員を逃がさないこと。これとても重要ですね。覚えておいてください。