【短歌】2018年8月28日~2019年11月28日

僕達の心に君はたくさんの反実仮想残して死せり
このまちのドレスコードは一枚の葉っぱを肩に乗せていること
歌一つ書き残せずに死んでいく私の死には意味はあるのか
どこまでも続く砂浜どこまでも走り続ける蟹の永遠
服にしわつけて故郷に帰るべく長距離バスに眠る渋面
パーキングエリアが雨でバス中の皆が小さく「あ…」と言った
お握りを少し残してふるさとの地のしがらみを逃れようとす
渋滞で母の作ったしがらみを隣の人と分けて食べたる
少し長い遠足のごと九時間の大渋滞の高速バスは
格安の高速バスで隣り合うやたら美人のイスラム教徒
良い靴は踊りたくなるもっと良い靴なら空へ帰りたくなる
連休の旅行鞄につめこんだ喪服と祖父の少しの記憶
しがらみが詰まった母のお握りをかばんに下げて都会へ帰る
大きめの内出血の膝を出し君が気付いて少し嬉しい
精神病ですと言うのはプロフィールすごく詳しく聞かれた場合
鉛筆で釘を打たないのと同じことです僕が働かぬのは
恋も夢も命も捨てて大切な自分を舟に乗せて逃がすの
アドリブは苦手なのです毎日のセリフを誰か書いてください
楽しそうにするのがうまくできなくて楽しいですと言ってみたので
一秒が一年が経ち歳が増え死ぬ確率が増えて嬉しい