【小説】支配

夜、私達はヒーローをしている。敵が現れれば私と彼は抜群の気があった連携で敵を圧倒する。仕事が終われば私達はハイタッチをして喜びあい労いあい、彼は私をハグしてキスをしてくれる。

昼、私達はスクールに通っている。昨日はお疲れ様、ありがとう、あの敵を仕留めたキック最高だった。私は彼にメッセージを送る。返ってはこない。既読もつかない。何日たっても何週間たっても。スクールで私はいじめられている。水浸しで廊下にへたりこんでいたら彼が見えた。こちらを指差して笑っている。

敵が出た夜、私達はまたヒーローをやる。彼は優しく頼れて、彼も私を信頼している。私達は二人でお互い弱みをカバーし強みを何倍にもできる最高のコンビだ。戦いが終わると彼はまた私を抱きしめる。

私は彼が好きだ。愛している。昼も夜もいつも彼を想う。彼のことを考えれば涙が出て呼吸が速くなりお腹が痛くなって吐き気がする。