【小説】脱出

敵が現れた夜、私と彼はいつものようにヒーロースーツに身を包み、戦っていた。やはり私達は最高のコンビだった。一人目の敵を見事な連携プレーで倒した後、彼は振り返り私に微笑みかけた。彼の頭を後ろから二人目の敵が狙っていた。私は素早く踏み込み、パンチを、そう、パンチを彼の脇腹に命中させた。そして私は去った。夜からも昼からもヒーローからもスクールからも、彼からも。全てから去った。そして二度と戻らなかった。