【小説】対マモノ占い師の言葉

ブロックするほどじゃないけど、この人もういいわって思われてることってあるでしょ。あなたに絡んでほしくて書いてるわけじゃないんだけどなって。純粋に楽しんでいるのに、恋でもって近づいてくるなんて失礼だって。
心の中ですら言葉になんて決してしないけれど、この人私のこと好きなんじゃないかって思うこと、あるでしょ。心の奥の奥深くで。人の纏う空気なんて、どうとでも読めるもの。私も好きですって、告白されてもいないのに返事したくなるじゃない。もし私でもいいならそばにいさせてくださいって。でも大概それは迷惑なの。そう言われても困るというようなことなのよ。
優しい人なら連絡をくれることもあるかもしれないわね。まだあなたの正体がばれていないなら。趣味の仲間だって信じて、フレンドリーに接してくれるかもしれない。雑談のメールをくれることもあるかもしれない。でもそれもすぐ無くなるでしょう。それは相手が気付いたからよ。下心で近づいて来ているって。好かれているって。連絡をくれていたのは相手があなたを好きだったからではないの。あなたの怖さに気づいていなかったからなの。後に相手があなたを好きになった可能性もゼロではなかったかもしれないわね。もしあなたが相手を好きになっていなければ。