【小説】終末の三人

世界が終わるとき私たち三人は交合っているところだった。他の人たちに対して申し訳なさそうにあるいは開き直っている振りをしてなおその実申し訳なさそうに隅に寄ってきた結果狭いところに集まってしまい交合う形になっていたところだった。
そのとき調度世界が終わった。神的な者によって方舟的救済が行われた。ただし数量限定は名ばかりで、少しでも違うものは、違うものとして保存されたので、結局全てが保存されることになった。しかしもう世界は終わってしまい物質を保存しておく場所はないのでデータだけを栞で分けて写し取るという方法が取られた。
そのとき私たち三人は意識が相互作用していたので一つのものと見間違えられ、一つの記録としてデータ化されてしまったのである。
舟を降り、物質は相変わらずないけれども個々のデータとして走らされたとき、私たち三人はキメラ的な意識存在として再生された。私たちは仕方なく妙な格好でひょこひょこ走ったのだった。相変わらず申し訳なさそうに。