【小説】足

今朝私が自分で食べて途切れたままになっていた足の一本を彼はいとおしそうに撫でてくれました。私たちはたくさんある足を動かして空間的会話をするので未来のことがわかる脳の構造をしています。だから彼がすぐに私を疎ましく思うようになることはわかっていました。というか、今目の前にいる彼の存在はそのことを含んでいました。なので私は愛想笑いをして、からっぽで撫でられていました。