【小説】姉妹

年の離れた姉がいた。姉と私は物心ついた頃から二人暮らしだった。

姉は私に優しくはなかった。

友達が来てテレビゲームをするのだと言って、姉はよく私をクローゼットに閉じ込めた。

荷物の間で膝を抱え、暗いのを意識しないようにしながら時間が過ぎるのを待った。部屋からは下品な笑い声と怒鳴り声、撃ち合う大きな音がひっきりなしに聞こえ、私を怯えさせた。

外出も禁止されていた。家の中で古い本を読んで過ごした。

 

その時も姉は突然友達が来たからと私をクローゼットに押し込んだ。静かにしていろと念を押された。

しばらくすると外から何かが当たってつっかい棒が外れた。細く戸を開けて部屋を覗いた。姉が倒れていた。体には姉の血に混じって鮮やかなピンクの返り血が見えた。

周りに倒れているやつらがいた。ピンクの血を流して皆死んでいた。姉も死んでいた。

姉の死体をクローゼットの中に寝かせ、私は姉のブキを取り、外に泳ぎ出ていった。